「為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。
江戸時代の米沢藩主の上杉鷹山の言葉です。端的な意味は「行動すれば上手く行く、逆にしなければ何も変わらない」という感じです。
私はこの言葉を知ったのは叔母の体験談からです。
こんな話でした。
息子が中学で野球のクラブチームに入っていて、保護者は必ず一つ係をやることになっていて、会長とか副会長とか会計とか色々ある中で、一番無難そうな複数人で出来るグランド抽せんに立候補して3人でやっていました。
毎月部員と保護者の名前約200人分、区の抽せんに申し込んで当選を確認して表にしてスケジュールのプリントを作るという作業です。
3人で分担しても結構毎月大変でした。
それが任期を半年残して息子以外の2人が勉強に専念したいとかで辞めてしまいました。
子供が辞める以上はママたちも辞めてしまうということなので、引退まで6回自分一人で全部やるということになってしまったのです。
目の前が真っ暗になりました。
他の2人同様息子も試合にはなかなか出してもらえずいつもママたちと「何で試合にも出してもらえないのに、こんな面倒な係やらなきゃならないのか?意味わかんない」と愚痴を言い合っていたので息子に「辞めてくれない?」と言いたい所でしたが、とにかく野球が好きな息子にそんなことが言えるはずもなく「誰か助けて」という言葉が頭の中をグルグル回っていましたが、他に頼める人はいませんでした。
年子の姉がいるのですが
もうすぐ卒業というタイミングで最後の学級新聞を持ち帰って来ました。
担任が国語なのでいつも生徒の様子を感動的な文章を書いてくれるのですが、今回は先生の座右の銘という内容でした。
「為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」
という言葉について書かれていて心に飛び込んできました。
高校に行ってからとにかく何にでも挑戦して欲しい、やってみれば何だって出来てしまうもの、逆にやらなければせっかくのチャンスを失ってしまう。
中3のために書かれた力強い文章に中年が揺り動かされ涙が溢れました。
「ありがとう」という気持ちでした。
いつだって行動すれば始められる「成せばなる」と自分が高くジャンプする姿が瞼の裏に見えました。
同時に言葉が昭和のアニソンの歌詞にあったからまたインパクトがあったのです。
メロディに乗せて何度も頭に浮かんでくるようになりました。
「♪為さねば成らぬ何事も」何度も何度も心に刻みました。
クラブチームの係の仕事は本当に大変でした。
でも「♪為さねば成らぬ何事も」この言葉に乗って毎月無心に頑張りました。
この言葉がなかったらとても頑張れませんでした。
言葉の通りやれば出来てしまいました。私と同じ様にキャパオーバーということに直面したらこの言葉を言いながらやってみて下さい。
何も考えずとにかくやるという行動を続けていると意外と成し遂げられてしまうという体験が出来るはずです。
やれば出来る、やらなければ絶対出来ない。単純にこれだけです。
「あの人達が辞めなければ」、「何で反抗的な息子のために」とかアレコレ考えずに
とにかく「成せばなる」、行動行動でやって行けばどんな事でも出来る。
この言葉があればどんな時でもポジティブな気持ちになれるようになりました。
こんな中年になってこんなありきたりの座右の銘に救われるとは思いませんでした。
いつからでも持っていて損はない単純な素晴らしい言葉なのでぜひ誰にでも持っていて欲しいです。